届か″ない″ものねだり
寝れないから書いてみる。
秋元グループも嵐と同じぐらいの時期から注目しているからかれこれファン歴は10年となる。
でも特に誰かを応援する訳でもなくCDを買う訳でもなく握手しに行く訳でもなくただただ画面のこちら側の世界で彼女達の情報を得るだけの応援スタイル。
乃木坂46はAKB48のライバルグループとして結成された。当時AKBが好きだったワタシは″ライバル″グループという時点で批判的に見ていた。批判的にというか眼中になかった。まあまあ頑張ってくださいなぐらいにしか思っていなかった。しかしバックに大手企業がついている彼女達はデビュー間もなくチョコレートのCMキャラクターに起用された。素人集団に魅力を感じる訳でもなく鼻で笑って流していたと記憶する。
その中でも今でも強く印象に残っている人がいる。誰もが分かる棒読みとはこのことかという棒読みで「ソッチコソ!」と指差すショートカットの女のコ。イラッとした。CMが流れる度にイラッとした。こんな子にやらせるぐらいならAKBにやらせろよって思った。その人物こそが橋本奈々未だった。
それから約3年はアホらしいと思いながらも新曲が出る度に確認していた。彼女達の場合シングルの選抜メンバーが冠番組内で発表されるから、それが新鮮で、その回だけは毎回見る。その程度だった。
ワタシが完全に彼女達にのめり込むようになったきっかけは11枚目シングル「命は美しい」だ。イントロのゾクゾク感、フロント3人のバランスの良さ、シンメのロングとショートカットのかっこよさ。そしてこのショートカットこそが橋本奈々未だった。3年前、ソッチコソ!とぼやいていた彼女にいつの間にか魅かれていた。
それから彼女を知るまでにさほど時間はかからなかった。知れば知るほど魅力的な人間だった。
そして去年の10月、16枚目シングルの選抜発表があった。それまでは彼女がセンターになれば面白いなと思いながら見ていたが、この時だけは何となく絶対にその番号に呼ばれてほしくなかった。呼ばれたら卒業してしまうだろうと思ったから。
しかしそんな願いは届くはずもなく彼女は16枚目シングルのセンターになった。素直におめでとうとは言えなかった。
数日後、ラジオに出演することが発表された。ずっと恐れていたことがとうとう起こるのだろうと心構えしつつ、何も発表が無いことを祈る自分がいた。またあっさりと願いは裏切られ彼女は卒業、そして芸能界からの引退を発表した。
涙がとまらなかった。数年前までバカにしていた人物にそれほどまで心を奪われていた。いつかはこうなることが分かっていたし、だからこそアイドルはワタシたちの青春として心の中で輝き続けてくれている物だと思う。
彼女はワタシの中のアイドルという概念を壊してくれた。容姿、声、独特な雰囲気、センス、考え方、全てにおいてワタシの憧れだった。
こんなにも涙を流す姿が綺麗な女性は後にも先にも彼女だけだと思っている。
彼女の人柄で人生の5年半をアイドルとして活動してくれたことに、出会わせてくれたことに感謝している。
多分一生忘れない。
彼女と彼女を支えた人たちにとって今日という日が特別な1日になりますように。
奈々未さん、
24歳の誕生日おめでとう。
そして卒業おめでとう。